最高の走りを体現するBMW MINIの「ジョン・クーパー・ワークス」は、スポーツグレードである「クーパーS」の性能を更に上回る特別なグレードです。
専用チューニングのエンジンや足回りを導入した走りは圧巻の一言。いつまでも走り続けたいと思える至高の一台へと仕上がっています。
この記事では、そんな「ジョン・クーパー・ワークス」の魅力や歴史、クーパーSとの比較、選ぶ際のポイントについてご紹介していきます。
目次
BMW MINI ジョン・クーパー・ワークスとは
BMW MINIには「ワン」や「クーパー」、「クーパーS」など多くのグレードが存在しますが、「ジョン・クーパー・ワークス」はその名前からもわかるように、ほかのグレードとは一線を画す特別なグレードです。
まずは「ジョン・クーパー・ワークス」の歴史を見ていきましょう。
「Mini」の潜在能力を引き出した伝説のエンジニア
「ジョン・クーパー・ワークス」の歴史は、「クラシックMini」が登場した1959年まで遡ります。
もともと「クラシックMini」は、コンパクトな大衆車として販売されていましたが、エンジニアのジョン・クーパー氏は「クラシックMini」の持つ高いポテンシャルをいち早く見抜き、イタリアのモンツァで開催されるレースに向けて独自のチューニングを施します。
当時のレースはロンドンからアルプスを超え、ゴール地点のモンツァまで約1300kmの距離を走破するというラリー競技。言うまでもなく、小さな「クラシックMini」がゴールへ辿り着くこと自体が無謀な挑戦でした。
しかしジョン・クーパー氏が手掛けた「チューニングMini」をドライブしたドライバーは、同僚よりも1時間も早く目的地に到着するという誰もが予想しなかった偉業を成し遂げます。
この圧倒的な結果を皮切りに、60年代のレースで「クラシックMini」は無数の勝利を挙げていきます。
やがてその功績が認められると「Mini」のラインナップの中にスポーツグレード「クーパー」が加わるようになりました。
最上級スポーツグレード「ジョン・クーパー・ワークス」の登場
1980年代になると、ジョン・クーパー氏の息子であるマイク・クーパー氏が父親から「クーパー・カー・カンパニー」の経営を引き継ぎぐと、企業としてジョン・クーパー・ワークス社を興します。
やがてローバー社の経営難により「Mini」ブランドがBMWに引き継がれると、2001年に「BMW MINI」として再登場。最もポピュラーなグレードに「クーパー」、スポーツグレードに「クーパーS」というグレード名が与えられます。
そして2003年に、偉大なるエンジニアであるジョン・クーパー氏の名前を引き継いだ最高級のスポーツグレード「ジョン・クーパー・ワークス」が登場します。
当時のBMWは、BMW MINIのキットやパーツを販売していたジョン・クーパー・ワークス社に専用チューニングキットの製作を依頼し、それを組み込んだ上で販売する方式を採用していました。
ちなみにチューニングキットの構成はシリンダーヘッドやスーパチャージャー、マフラーなど馬力アップに関するものが中心で、かなりスパルタンな仕上がりとなっていました。
現在はBMW MINIを代表する特別なブランドとして存在
その後、BMWは2007年にジョン・クーパー・ワークス社を正式に買収すると、翌2008年に「ハッチバック」「クラブマン」2モデルにBMW MINIのサブブランドとして「ジョン・クーパー・ワークス」を設定します。
その後「クロスオーバー」や「コンバーチブル」にも設定し、どのモデルからも「ジョン・クーパー・ワークス」が選べるようにラインナップを充実させていきます。
また、「ワールドチャンピオン・シップ50」や「ジョン・クーパー・ワークスGP」といった限定モデルの販売や、ワンメイクレース「ジョン・クーパー・ワークス・チャレンジ」の開催なども行われるようになります。
こうして「ジョン・クーパー・ワークス」は、BMW MINIを代表する特別なブランドとしてその地位を確立しました。
もちろん現在も「ジョン・クーパー・ワークス」は特別なMINIとして、ブランドの頂点に君臨し続けています。
BMW MINI ジョン・クーパー・ワークスは歴代MINI最高の走行性能
現行モデルの「ジョン・クーパー・ワークス」は、2015年に登場したモデルとなります。
3代目「クーパーS」のエンジンをベースにチューニングされたエンジンは、これまでのMINIの中で最大の231馬力・320Nm(3ドアハッチバック・コンバーチブル)を発揮します。
また、トランスミッションは7速DCTから8速ATへと多段化が進み、ダイレクトな走り出しと巡航中の燃費性能に磨きがかかっています。
ほかにも、現行の「ジョン・クーパー・ワークス」はエクステリアにも注目です。
フロントバンパーに設けられた巨大なエアインテークや、ボンネットのダクト、ホイールアーチをギリギリまで攻めたタイヤ配置と、随所にレーシングカーを彷彿とさせるデザインを採用。
代表するボディカラーはJCW専用の「レベル・グリーン」と、ルーフ&ミラー・キャップの「チリ・レッド(3A3)」の組み合わせとなります。
紳士的な雰囲気と、研ぎ澄まされたスパルタンな雰囲気の両方を併せ持つ独特な存在感が、オーナーの所有欲を存分に満たしてくれるでしょう。
ジョン・クーパー・ワークスとクーパーSの比較
「ジョン・クーパー・ワークス」とクーパーSの比較を見ていきましょう。
参考に、3Dハッチバックモデルの「ジョン・クーパー・ワークス」と「クーパーS」の主なスペックを掲載させていただきます。
クーパーS | ジョン・クーパー・ワークス | |
エンジン種類 | 直列4気筒ツインパワー・ターボエンジン | 直列4気筒ツインパワー・ターボエンジン |
トランスミッション | 7DCT | 8AT |
排気量(cc) | 1998 | 1998 |
最高出力(PS/rpm) | 192/5000 | 231/5200 |
最大トルク(Nm/rpm) | 280/1350-4600 | 320/1450-4800 |
JC08モード燃費(km/L) | 16.6 | 15.5 |
WLTCモード燃費(km/L) | 15.0 | 13.7 |
価格(万円/税込) | 427万円〜 | 508万円〜 |
「ジョン・クーパー・ワークス」はガソリンエンジンのグレードに設定されていますが、「クーパーS」は一部ディーゼルやプラグインインハイブリッドにも設定されています。
また、「ジョン・クーパー・ワークス」には、「クーパーS」と同様にナビゲーション・システムやスマートフォンのBluetooth接続機能、LEDヘッドライトが標準装備。スポイラーや4ピストン・ブレーキ・キャリパーなど、随所に専用パーツも装着されます。
エンジンの排気量は両グレード共に同じですが、「ジョン・クーパー・ワークス」には性能が大幅に引き上げられた専用エンジンが搭載されます。
燃費性能を比較すると「クーパーS」の方が優れていますが、「ジョン・クーパー・ワークス」には8速ATが組み込まれており、リッターあたり15.5km/L(3ドアハッチバック JC08モード)という低燃費を実現しています。
BMW MINIジョン・クーパー・ワークスを選ぶポイント
現在の「ジョン・クーパー・ワークス」は、5ドアハッチバックを除いた4モデルにラインナップされています。
それぞれボディタイプが大きく異なるため、ご自身のライフスタイルに合わせた最適なモデルをお選びいただくことをおすすめします。
参考までに、4モデルの基本情報を掲載させていただきます。
3ドアハッチバック | コンバーチブル | クラブマン | クロスオーバー | |
全長(mm) | 3880 | 3880 | 4275 | 4315 |
全幅(mm) | 1725 | 1725 | 1800 | 1820 |
全高(mm) | 1430 | 1415 | 1470 | 1595 |
ホイールベース(mm) | 2495 | 2495 | 2670 | 2670 |
最小回転半径(m) | 5.3 | 5.3 | 5.5 | 5.4 |
定員(名) | 4 | 4 | 5 | 5 |
トランク容量(L) | 211/731 | 215/160 | 360/1250 | 450/1390 |
駆動方式 | FF | FF | 4WD | 4WD |
トランスミッション | 8AT | 8AT | 8AT | 8AT |
エンジン種類 | 直列4気筒ツインパワー・ターボエンジン | 直列4気筒ツインパワー・ターボエンジン | 直列4気筒ツインパワー・ターボエンジン | 直列4気筒ツインパワー・ターボエンジン |
排気量(cc) | 1998 | 1998 | 1998 | 1998 |
最高出力(PS/rpm) | 231/5200 | 231/5200 | 306/5000 | 306/5000 |
最大トルク(Nm/rpm) | 320/1450-4800 | 320/1450-4800 | 450/1750-4500 | 450/1750-4500 |
0-100km/h(秒) | 6.1 | 6.5 | 4.9 | 5.1 |
JC08モード燃費(km/L) | 15.5 | ー | 13.5 | ー |
WLTCモード燃費(km/L) | 13.7 | ー | 11.7 | ー |
価格(万円/税込) | 508万円〜 | 559万円〜 | 598万円〜 | 637万円〜 |
また、ボディやルーフカラー、ホイールのバリエーションも豊富にラインナップされているため、お好みのカラーを組み合わせた特別な一台をオーダーいただけます。※一部グレードにはご用意されていないカラーもございます。
最高の走りを味わえるBMW MINI ジョン・クーパー・ワークス
BMW MINIの上級スポーツグレード「ジョン・クーパー・ワークス」についての紹介でした。
偉大なるエンジニアであるジョン・クーパー氏の名前を受け継いだ「ジョン・クーパー・ワークス」は、歴代のMINIの中でも最高の走行性能を持つ特別なグレードです。
見た目からは想像できない圧倒的なポテンシャルは、実際に体感した方にしかわかりません。ひとたびハンドルを握れば、本当にMINIなのかと驚かれることでしょう。
「ジョン・クーパー・ワークス」の試乗を承っております。
ぜひご試乗いただき、BMW MINIが持つ最高の走りをご堪能ください。