MINI

【BMW MINI】歴代モデルの特徴や変遷、現行ラインナップを紹介

BMW MINIは、クラッシック・ミニを製造していたイギリスの自動車メーカーローバーがBMW傘下に入ったことによって生まれたプレミアム・スモールカーです。

高級プレミアムセダン・SAV(スポーツ・アクティビティ・ヴィークル)を主力とするBMWにとって、実質的に小型FFモデルを担うブランドとなっています。

今回の記事では、そんなBMW MINIの成り立ちや特徴、魅力について、歴代モデルを紹介しつつお伝えしてまいります。

 

BMW MINIとは

オリジナルのミニは、小型車=エンジン横置き+FFという常識を作った名車

オリジナルのクラッシック・ミニは1959年、ローバーの前身であるBMC(ブリティッシュ・モーター・コーポレーション)から発売され、2000年まで生産されました。

設計はエリザベス女王からサーの称号を受けた名エンジニア、アレック・イシゴニス。

エンジン横置き+FFというパッケージを成功させ、現在一般的となった小型車のスタイルを確立した名車です。

紆余曲折を経て2001年新生BMW MINIが誕生する

その後1994年にローバーがBMWの傘下に入ったことにより「新生MINI」のプロジェクトがスタートするのですが、ローバーが経営悪化によりプロジェクトから離脱。

最終的にはBMWが主導して2001年、新生BMW MINIが誕生しました。

その後2度のフルモデルチェンジを経て現在ではプレミアムコンパクトの代名詞となり、日本で最も売れている小型輸入車ブランドとなっています。

 

BMW MINIの基本モデルと特徴

初代モデルでは3ドアハッチバックとコンバーチブルのみのボディバリエーションでしたが、フルモデルチェンジ後の2代目ではボディタイプが一気に増加しました。

3代目となる現行モデルでは、

  • 3ドアハッチバック
  • 5ドアハッチバック
  • コンバーチブル
  • クラブマン
  • クロスオーバー

の5つのモデルが用意されています。

これらのモデルにそれぞれ「クラブマン・クーパー」「クラブマン・クーパーS」「クラブマン・JCW(ジョン・クーパー・ワークス)」「クラブマン・クーパーD(ディーゼルモデル)」といったグレードが設定されているのですが、グレードについては別記事で詳しく紹介しております。是非そちらをご覧になってください。

それでは各モデルの特徴と魅力をお伝えしてまいりましょう。

3DOOR(3ドアハッチバック)

クラッシック・ミニの面影を強く残し、最もMINIらしいといえるのがこの3DOORです。

コンパクトなボディの四隅にタイヤが配されたデザインはMINIの伝統にのっとったもの。

キュートかつクラシカルな雰囲気を感じさせます。

一方でMINIの中で最もコンパクトで軽量なボディを活かした軽快な走りも魅力。

初めてクルマを購入する方や、若いカップルにピッタリの1台といえるでしょう。

「ONE」「クーパー」「クーパーS」「クーパーD」「JCW」の5つのグレードが用意されています。

【MINI 3DOORのグレードと車両本体価格】

グレード 車両本体価格(税込)
ONE(FIRST) ¥3,100,000
クーパー(FIRST) ¥3,510,000
クーパーS(PREMIUM PLUS) ¥4,050,000
クーパーD(FIRST) ¥3,650,000
JCW ¥4,880,000

※MINI 3DOORについては別に詳しい記事がございます。是非そちらもご覧になってください。

 

5DOOR(5ドアハッチバック)

5DOORの魅力はなんといってもその使い勝手の良さです。

MINIのキュートなデザインはそのままに、3DOORより160mm大きくなった全長と、70mm伸びたホイールベースによって居住性が向上。

定員が4名の3DOORに対し、5DOORは5名となっており、ゆったりと寛ぐことができるようになっています。

また後席を倒した場合のラゲッジスペースは、3DOORの731Lに比べて941Lと大幅に増えており、ファミリーユースにも十分対応できる頼もしさです。

「クーパー」「クーパーS」「クーパーD」の3つのグレードが用意されています。

※MINI 5DOORについては別に詳しい記事がございます。是非そちらもご覧になってください。

 

【MINI 5DOORのグレードと車両本体価格】

グレード 車両本体価格(税込)
クーパー(FIRST) ¥3,670,000
クーパーS(PREMIUM PLUS) ¥4,160,000
クーパーD(PREMIUM PLUS) ¥3,930,000

 

コンバーチブル

MINIの中でも最も華やかで、オープンエアを楽しむことができるコンバーチブルですが、実は意外と実用性も持ち合わせています。

後席もきちんと用意された4シーターですし、ソフトトップを閉じた状態なら215L、後席を倒せば661Lのラゲッジスペースは実用性十分です。

「才色兼備の1台」といったところでしょうか。

「クーパー」「クーパーS」「JCW」の3つのグレードが用意されています。

※MINI コンバーチブルについては別に詳しい記事がございます。是非そちらもご覧になってください。

 

【MINI コンバーチブルのグレードと車両本体価格】

グレード 車両本体価格(税込)
クーパー ¥4,160,000
クーパーS ¥4,570,000
JCW ¥5,390,000

 

クラブマン

クラブマンはMINIのステーションワゴンという位置づけ。

通常時360L、後部シートを倒した最大時には1,205Lもの広大なラゲッジスペースを誇ります。

また楽器を積み込むミュージシャンや、撮影機材を満載するカメラマンに愛用者が多く、アートやカルチャーの雰囲気をまとっているのもクラブマンの魅力。

ハンドルを握れば一味違う自分を演出することも可能です。

「クーパー」「クーパーS」「クーパーD」「JCW」の4つのグレードが用意されています。

 

※MINI クラブマンについては別に詳しい記事がございます。是非そちらもご覧になってください。

【MINI クラブマンのグレードと車両本体価格】

グレード 車両本体価格(税込)
クーパー(FIRST) ¥3,860,000
クーパーS(PREMIUM PLUS) ¥4,530,000
クーパーD(PREMIUM PLUS) ¥4,210,000
JCW ¥5,870,000

 

クロスオーバー

MINI流のSUV、それがクロスオーバーです。

通常時450L、後部シートを倒した時には1,390LというラゲッジスペースはMINIの中で最大容量を誇り、またフルタイム4WDシステムである「ALL4」を選ぶことも可能。

大量の荷物を積み込んで、ぬかるんだオフロードや雪道を物ともしないその走行性能は、「万能のMINI」といえるかもしれません。

またMINIの中では唯一のPHEVを選ぶことができるのもポイントです。

ディーゼルモデルの「クーパーD」その4WDモデル「クーパーD ALL4」ハイパワーディーゼルエンジンを搭載した「クーパーSD ALL4」PHEVの「クーパーSE ALL4」「JCW」の5つのグレードが用意されています。

※MINI クロスオーバーについては別に詳しい記事がございます。是非そちらもご覧になってください。

【MINI クロスオーバーのグレードと車両本体価格】

グレード 車両本体価格(税込)
クーパーD(FIRST) ¥4,290,000
クーパーD ALL4(FIRST) ¥4,550,000
クーパーSD ALL4(PREMIUM PLUS) ¥5,120,000
クーパーSE ALL4(PREMIUM PLUS) ¥5,110,000
JCW ¥6,170,000

 

 

歴代のBMW MINIシリーズ

2001年にデビューしたBMW MINIは、2006年と2013年にフルモデルチェンジを受け、現在は3代目となる開発コード「F型」(F54=クラブマン、F55=5ドア、F56=3ドア、F57=コンバーチブル、F60=クロスオーバー)が現行モデルとなっています。

初代BMW MINI(2001-2006年)R50/52/53/ R16

2001年にデビューした初代BMW MINIのボディ形状は2つ。

クラッシック・ミニの面影を色濃く残した3ドアハッチバックとコンバーチブルの2つのみでした。

グレードは「ONE(ワン)」「クーパー」「クーパーS」の3つのグレードが用意されていましたが、JCWはカタログモデルとしては登場しておらず、「クーパーS with JCW GP kit」というパワーアップキットを装着したモデルとして、2,000台限定で発売されました。

 

【初代MINI ONE(3DOOR)の基本スペック】

モデル名・グレード 開発コード 全長 全幅 全高
ONE(3DOOR) R50 3,630mm 1,690mm 1,430mm
排気量 最高出力/最大トルク 燃費(10.15モード) 新車価格
1,598cc 90ps/140Nm(3000rpm) 15.4km/l 195万円(税抜)

【初代MINI クーパー(3DOOR)の基本スペック】

モデル名・グレード 開発コード 全長 全幅 全高
クーパー(3DOOR) R50 3,630mm 1,690mm 1,420mm
排気量 最高出力/最大トルク 燃費(10.15モード) 新車価格
1,598cc 116ps/149Nm(4500rpm) 14.4km/l 225万円(税抜)

【初代MINI クーパーS(3DOOR)の基本スペック】

モデル名・グレード 開発コード 全長 全幅 全高
クーパーS(3DOOR) R53 3,660mm 1,690mm 1,430mm
排気量 最高出力/最大トルク 燃費(10.15モード) 新車価格
1,598cc 163ps/219Nm(4000rpm) 11.6km/l 260万円(税抜)

【初代MINI クーパーS(コンバーチブル)の基本スペック】

モデル名・グレード 開発コード 全長 全幅 全高
クーパーS(Conv) R52 3,655mm 1,690mm 1,415mm
排気量 最高出力/最大トルク 燃費(10.15モード) 新車価格
1,598cc 170ps/220Nm(4000rpm) 11.2km/l 323万円(税込)

 

 

2代目BMW MINI(2006-2013年)R55/56/57/58/59/60/61

2代目MINIの特徴は、ボディタイプのバリエーションが一気に広がったことにあります。

これまでの3ドアとコンバーチブルに加えてステーションワゴンタイプの「クラブマン」が登場したことを皮切りに、2009年にデビューした後期型では2ドア・2シーターの「クーペ」、2シーターオープンモデルの「ロードスター」、5ドアのSUVモデル「クロスオーバー」、2ドアのSUVモデル「ペースマン」と7つものボディ形状を持つにいたります。

最も遊び心にあふれていたのはこの2代目モデルかも知れません。

【2代目MINI ONE(3DOOR)後期型の基本スペック】

モデル名・グレード 開発コード 全長 全幅 全高
ONE(3DOOR) R56 3,740mm 1,685mm 1,430mm
排気量 最高出力/最大トルク 燃費(10.15モード) 新車価格
1,598cc 98ps/153Nm(3000rpm) 16.6km/l 232.9万円(税込)

【2代目MINI クラブマン(クーパー)後期型の基本スペック】

モデル名・グレード 開発コード 全長 全幅 全高
クーパー(クラブマン) R55 3,980mm 1,685mm 1,440mm
排気量 最高出力/最大トルク 燃費(10.15モード) 新車価格
1,598cc 122ps/160Nm(4250rpm) 16.0km/l 292.9万円(税込)

【2代目MINI コンバーチブル(クーパーS)後期型の基本スペック】

モデル名・グレード 開発コード 全長 全幅 全高
クーパーS(Conv) R57 3,745mm 1,685mm 1,415mm
排気量 最高出力/最大トルク 燃費(10.15モード) 新車価格
1,598cc 184ps/240Nm(1600-5000rpm) 19.2km/l 365万円(税込)

【2代目MINI クーペ(JCW)の基本スペック】

モデル名・グレード 開発コード 全長 全幅 全高
JCW(クーペ) R58 3,745mm 1,685mm 1,380mm
排気量 最高出力/最大トルク 燃費(10.15モード) 新車価格
1,598cc 211ps/260Nm(1850-5600rpm) 426万円(税込)

【2代目MINI ロードスター(クーパーS)の基本スペック】

モデル名・グレード 開発コード 全長 全幅 全高
クーパーS(ロードスター) R59 3,745mm 1,685mm 1,385mm
排気量 最高出力/最大トルク 燃費(10.15モード) 新車価格
1,598cc 184ps/240Nm(1600-5000rpm) 15.6km/l 387万円(税込)

【2代目MINI クロスオーバー・オール4(クーパーS)の基本スペック】

モデル名・グレード 開発コード 全長 全幅 全高
クーパーS(クロスオーバー・オール4) R60 4,120mm 1,790mm 1,550mm
排気量 最高出力/最大トルク 燃費(10.15モード) 新車価格
1,598cc 184ps/240Nm(1600-5000rpm) 16.6km/l 384万円(税込)

【2代目MINI ペースマン・オール4(クーパーS)の基本スペック】

モデル名・グレード 開発コード 全長 全幅 全高
クーパーS(ペースマン・オール4) R61 4,125mm 1,785mm 1,530mm
排気量 最高出力/最大トルク 燃費(10.15モード) 新車価格
1,598cc 184ps/240Nm(1600-5000rpm) 394万円(税込)

 

 

3代目BMW MINI(2013年-)F54/55/56/57/60

遊び心にあふれていた2代目に対し、3代目は「実用性の向上」がテーマです。

ハッチバックに5ドアモデルが追加され、クラブマンも5ドア仕様になりました。

またボディサイズが拡大されたことによって全モデル3ナンバーサイズになり、より一層居住性が向上。

更にはコンバーチブルを除く全てのモデルでディーゼルエンジンが選べるようになるなど、ユーザーの生活に寄り添った、より使い勝手の良いモデルになったといえます。

【3代目MINI ONE(3DOOR)の基本スペック】

モデル名・グレード 開発コード 全長 全幅 全高
ONE(3DOOR) F56 3,835mm 1,725mm 1,430mm
排気量 最高出力/最大トルク 燃費(10.15モード) 新車価格
1,198cc 102ps/180Nm(1400-3900rpm) 230万円(税込)

【3代目MINI クーパー(5DOOR)の基本スペック】

モデル名・グレード 開発コード 全長 全幅 全高
クーパー(5DOOR) F55 4,000mm 1,725mm 1,445mm
排気量 最高出力/最大トルク 燃費(10.15モード) 新車価格
1,498cc 136ps/220Nm(1250-4300rpm) 304万円(税込)

【3代目MINI クーパーS(クラブマン)の基本スペック】

モデル名・グレード 開発コード 全長 全幅 全高
クーパーS(クラブマン) F54 4,270mm 1,800mm 1,470mm
排気量 最高出力/最大トルク 燃費(10.15モード) 新車価格
1,998cc 192ps/280Nm(1250-4600rpm) 416万円(税込)

【3代目MINI クーパーD(クロスオーバー)の基本スペック】

モデル名・グレード 開発コード 全長 全幅 全高
クーパーD(クロスオーバー) F60 4,315mm 1,820mm 1,595mm
排気量 最高出力/最大トルク 燃費(10.15モード) 新車価格
1,995cc(ディーゼル) 150ps/330Nm(1750-2750rpm) 393万円(税込)

 

 

まとめ

現在は完全にBMWグループの一員であるMINIですが、実は今でもその生産は旧ローバーがあったイギリスのオックスフォード工場でおこなわれています。

ドイツの合理性をうまく取り入れながらも、MINIの伝統はきちんと守られているのです。

可愛いだけじゃなく、高い実用性も併せ持つMINIのキャラクターは、そんなところから生まれているのかもしれません。

そんな魅力にあふれるBMW MINIの楽しさと走りの良さを、ぜひ一度お試しになってください。

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