2001年のデビュー以来、瞬く間にグローバルモデルへと成長を遂げたBMW MINI。2024年には次世代のBMW MINIがデビューし、さらに注目を集めています。
BMW MINIと言えば、基本的にハッチバックモデルのイメージを持たれる方が多いかもしれませんが、実はそれ以外にも数多くの派生モデルが登場しています。
特に2006年に登場した2代目のR56世代は、現行のハッチバックやSUV以外にも、魅力的な2ドアモデルがたくさんリリースされていました。
そこで今回は、あえて現行モデルではなく、これまでに登場した2代目BMW MINIの派生モデルにフォーカスを当ててみたいと思います。
目次
歴史と共に数多くのモデルが登場してきた
「MINI」と聞くと、小さな箱型のボディにまん丸のヘッドライトが組み合わされたお車というイメージを持たれると思います。
初代の「クラシックMini」が登場した当時は、小さなボディを持ちながら4人乗りを実現するコンパクトカーとして、世間に大きなインパクトを与えました。
そしてこのデザインは次第にMINIのアイデンティティとなり、このモデルをベースに数多くの派生モデルが登場することになりました。
ホイールベースを引き伸ばし、収納スペースを拡大させたバンやピックアップ仕様車、中には軍用車としても活躍していた時代もあります。
ちなみに「クラシックMini」時代は試作車も合わせると、100種類以上もの派生モデルがあったと言われています。
BMW MINIの現行2ドアモデルはコンバーチブルだけ
現在のBMW MINIは、ドイツ(BMW)の車作りの技術も取り入れられるようになり、より大きく、高品質なモデルへとコンセプトが移り変わっています。
現在の主軸となるのは、ハッチバックモデルの「3/5ドア」、SUVモデルの「カントリーマン(クロスオーバー)」、オープンモデルの「コンバーチブル」、そしてステーションワゴンモデルの「クラブマン」となります。
そしてこの中で2ドアモデルは「コンバーチブル」のみ。
2ドアモデルは後部座席を利用するためには前方のシートを倒さなければいけませんし、ドアも大きく開閉時にも気を遣います。
一方で、大きな魅力を持つのも事実です。
2ドアモデルはドア数が少なく、その分お車全体のデザインの自由度も増すため、個性豊かなモデルが多くなっています。
また、ドア数が少ないと、その分車体を軽くできます。
軽い車体は加減速、コーナリング、燃費性能といった走行に関わる全ての性能が向上するため、純粋にお車を操る楽しさも存分に味わえるでしょう。
BMW MINIの個性派2ドアモデル
これまでに発売されたモデルを辿ってみると、BMW MINIの2ドアモデルは、コンバーチブル以外にも、
- クーペ
- ロードスター
- ペースマン
- クラブバン
などが販売されていました。ちなみに全てのモデルが2代目R56世代に登場しています。
クーペ(R58)
2011年に登場したBMW MINI初の本格2シータークーペです。
ハッチバックモデルよりも傾斜が増したウインドスクリーンと、丸みを帯びたコンパクトなルーフが特徴で、RCカーのような見た目をしています。
ちなみにこちらはクラシックMiniをベースとしたスポーツクーペ「ミニ・マーコス」からインスピレーションを受けたと言われています。
また、MINI クーペ最大の特徴であるトランクリッド一体型の「アクティブ・リア・スポイラー」は、時速80km/h以上で上昇し、60km/h以下になると格納される自動可動式。手動スイッチでも操作することができます。
パワートレインや足回りはハッチバックで採用されているものをベースとしていますが、低くて軽いボディを持つため、持ち味のゴーカートフィーリングをしっかりとお楽しみいただけます。
また、マニュアルミッションやスポーツサスペンション、本格スポーツグレード「ジョン・クーパー・ワークス」も設定。発表前にニュルブルクリンク24時間レースに参戦し、話題を呼びました。
クーパー | クーパーS | JCW | |
全長・全幅・全高(mm) | 3740x1685x1380 | 3740×1685×1380 | 3740×1685×1380 |
ホイールベース(mm) | 2465 | 2465 | 2465 |
車両重量(kg) | MT 1170
AT 1200 |
MT 1240
AT 1270 |
MT 1230
AT 1260 |
乗車定員(名) | 2 | 2 | 2 |
トランク容量(L) | 280 | 280 | 280 |
最小回転半径(m) | 5.1 | 5.1 | 5.1 |
エンジン形式 | 直列4気筒DOHC | 直列4気筒DOHCターボ | 直列4気筒DOHCターボ |
排気量(cc) | 1598 | 1598 | 1598 |
最高出力(馬力) | 122 / 6000 | 184 / 5500 | 211 / 6000 |
最大トルク(Nm/rpm) | 160 / 4250 | 240 / 5000 | 260 / 5500 |
JC08 | MT 19.0
AT 15.4 |
MT 17.6
AT 15.4 |
MT 16.3
AT 13.0 |
当時の新車価格 | MT 305万円〜
AT 318万円〜 |
MT 349万円〜
AT 362万円〜 |
MT 438万円〜
AT 455万円〜 |
中古車価格相場 | 61〜298万円 |
ロードスター(R59)
先ほどご紹介したBMW MINI クーペのソフトトップ仕様車で、2012年に登場しました。
2シーターとしては初のオープンモデルで、後部座席の後ろにある銀色のロールオーバーバーが特徴的なモデルとなっています。
コンバーチブルとは違い、ルーフは手動で開閉を行う必要がありますが、電動デバイスが非搭載である分、その分ボディが軽量化されています。
コンバーチブルよりもさらに開放的な気分で直感的なスポーツドライブができるモデルだと言えるでしょう。
また、ルーフ開放時でもトランク容量は240Lと、オープンモデルでありながら収納能力がきちんと確保されているのもポイント。ちょっとした遠乗りや、お買い物にも向いています。
発売期間が4年程しかありませんでしたので、かなりの希少車だと言えるかもしれません。
クーパー | クーパーS | JCW | |
全長・全幅・全高(mm) | 3740×1685×1385 | 3745×1685×1385 | 3745×1685×1385 |
ホイールベース(mm) | 2465 | 2465 | 2465 |
車両重量(kg) | MT 1170
AT 1200 |
MT 1240
AT 1270 |
MT 1230
AT 1260 |
乗車定員(名) | 2 | 2 | 2 |
トランク容量(L) | 240 | 240 | 240 |
最小回転半径(m) | 5.1 | 5.1 | 5.1 |
エンジン形式 | 直列4気筒DOHC | 直列4気筒DOHCターボ | 直列4気筒DOHCターボ |
排気量(cc) | 1598 | 1598 | 1598 |
最高出力(馬力) | 122 / 6000 | 184 / 5500 | 211 / 6000 |
最大トルク(Nm/rpm) | 160 / 4250 | 240 / 5000 | 260 /5500 |
JC08モード燃費(km/L) | MT 19.0
AT 15.4 |
MT 17.6
AT 15.6 |
MT 16.3
AT 13.0 |
当時の新車価格 | MT 344万円〜
AT 357万円〜 |
MT 374万円〜
AT 387万円〜 |
MT 464万円〜
AT 481万円〜 |
中古車価格相場 | 98~398万円 |
ペースマン(R61)
クロスオーバーの兄弟車として登場したモデルで、こちらは2ドア仕様のクロスオーバーSUVとなります。
クーペらしいスタイリッシュなデザインで、長いドアとリップスポイラーも備えられています。
本モデルは2ドア仕様ですが、プラットフォームはクロスオーバーと共通であるため、車内は驚くほど広々とした設計です。
また、後部空間は「ラウンジ」と呼ばれるコンセプトを採用。車内中央のセンターレールには、カップホルダーやスマホなどを好きな位置に配置できる機能も付いています。
もちろん高い走破性も備えています。4WD技術「ALL4」のグレードは、凍結路や砂利道などの悪路でも安定して進むことができるでしょう。
ちなみにBMW MINIで唯一の日本カーオブザイヤーでベスト10 入りも果たしています。
スタイリッシュで車内も豪華な2ドアSUV。BMW MINIの中で最もインパクトのあるモデルかもしれません。
クーパー | クーパーD | クーパーS | JCW | |
全長・全幅・全高(mm) | 4120×1785×1530 | 4125×1785×1530 | 4125×1785×1530 | 4135×1785×1525 |
ホイールベース(mm) | 2595 | 2595 | 2595 | 2595 |
車両重量(kg) | MT 1330
AT 1360 |
AT 1410 | MT 1370
AT 1390 |
MT 1460
AT 1480 |
乗車定員(名) | 4 | 4 | 4 | 4 |
トランク容量(L) | 330 ※最大1080 | 330 ※最大1080 | 330 ※最大1080 | 330 ※最大1080 |
最小回転半径(m) | 5.8 | 5.8 | 5.8 | 5.8 |
エンジン形式 | 直列4気筒DOHC | 直列4気筒DOHターボ | 直列4気筒DOHターボ | 直列4気筒DOHターボ |
排気量(cc) | 1598 | 1598 | 1598 | 1598 |
最高出力(馬力/rpm) | 122 / 6000 | 112 | 184 | 218 |
最大トルク(Nm/rpm) | 160 | 270 | 240 | 280 |
JC08モード燃費(km/L) | MT 16.7
AT 14.0 |
AT 16.3 | MT 16.2
AT 14.1 |
MT 14.4
AT 12.0 |
当時の新車価格 | MT 308万円〜
AT 321万円〜 |
AT 341万円〜 | MT 362万円〜
AT 375万円〜 |
MT 466.0万円〜
AT 483.0万円 |
中古車価格相場 | 35〜218万円 |
クラブバン(R55)
こちらはクラブマンをベースとした2シーターのモデル。運転席の後部が全て収納スペースとなった実用性の高い仕様に仕上がっています。
どちらかと言えば商用車に近い形ですので、機材を積み込んで出張に出かける方や、荷物を運ぶ機会が多い方にはぴったりのMINIだと言えるでしょう。
ちなみにリアガラスは樹脂カバーで覆われているため、外から見ると、すぐにクラブバンだとわかります。
また、キャンプ道具などのアウトドア用品を詰んだり、スキーやスノーボードの板もそのまま積み込めるのもポイント。趣味のお車としても最適です。
グレードは「クーパー」のみとなりますが、ベースモデルがクラブマンであるため、乗り心地も良く、長時間の運転も苦になりません。
あらゆるオーナー様のご要望に答えてくれる、無限の可能性を持つMINIだと言えるでしょう。
MINI クラブバン | |
全長・全幅・全高(mm) | 3980×1685×1440 |
ホイールベース(mm) | 2545 |
車両重量(kg) | 1220 |
乗車定員(名) | 2 |
トランク容量(L) | 最大860 |
最小回転半径(m) | 5.5 |
エンジン形式 | 直列4気筒DOHC |
排気量(cc) | 1598 |
最高出力(馬力/rpm) | 122/6000 |
最大トルク(Nm/rpm) | 160/4250 |
JC08モード燃費(km/L) | 14.2 |
当時の新車価格 | 282万円〜 |
中古車価格相場 | 88〜158万円 |
まとめ
BMW MINIの個性派2ドアモデルをご紹介しました。
今回ご紹介したモデルは、既に絶版になってしまったものの、BMW MINIの歴史を語る上で欠かせないモデルばかり。
現在の2ドアモデルはハッチバックモデルのみですが、今後も魅力的な2ドアモデルが登場する可能性もあります。
また、今回ご紹介したモデルは、台数こそ少ないものの、中古車市場に出回っている個体もございます。
現行モデルではなく、あえて変わったBMW MINIに乗ってみたいとお考えの方は、ぜひチェックしてみてください。